『コーヒーが冷めないうちに』
川口俊和著サンマーク出版(2015)
映画にもなり、タイトルだけはなんとなく記憶していて、図書館で目に留まり、読んでみることに。もう9年も前の作品なんですね。もっと早く読めばよかったというのが、読み終えた直後の感想です。
とある喫茶店で、カップに注いだコーヒーが冷める間、その席に着いたままで自分の望む過去に戻れるという設定なのですが、そのへんな設定がヘン故に秀逸で、その設定ならではの展開に「うんうん」とうなづくしかない自分がいました。でもイヤな感じではなく、それどころか心があったまる感じがして心地よかったのです。
もちろん、途中悲しくなったり、やるせなくなったりもしましたが、腑に落ちるというか自然に納得していきました。ラストへ向けてのストーリーは、予想はしつつも良い意味で裏切られたり、「?」が頭に浮かんだりとすっかり川口ワールドき引き込まれました。
良書ですね。次作がとても楽しみになりました。