強く出るのは、弱さの裏返し

 亭主関白の家庭って、最近は少なくなってきた感がありますが、熟年世代などにまだよく見られますよね。家事・炊事・育児・洗濯・掃除など、家の事は、ぜ~んぶ、奥さんにまかせっきり。中には、仕事から帰ってきて脱いだ靴をそろえるどころか、靴下もその辺に脱ぎっぱなし・・・なんてご主人もいらっしゃるのではないでしょうか。「オレは外でがんばって家庭のために働いてきてるんだから、家の事はやる必要ナシ!」と考える男性って、けっこういるのでは?と友人と話していて、思う事があります。  「自分で何ひとつやらないくせに、文句だけはひと一倍多いのよね!」なんて奥さんの声も聞こえてきそうですが、おそらく、そういった場合、ご主人は、何ひとつ『やらない』でなく、『できない』と言った方が正しいかもしれません。自分がてきないから、奥さんにやってもらうのだけど、自分よりちゃんとできるはずの奥さんが、つい忘れてしまったり、間違えてしまったりすると、とても不安になってしまうのです。それで、ついつい文句が出てしまうのです。声が大きくなったり、言葉が激しくなるのは、不安、つまり自分の弱さの裏返しなんですね。  いざ家事を手伝おうとして、ご飯の支度をしようと、お米を研ごうとしてもお米の在りかが分からない。洗濯物をたたんでも、どこにしまっていいか分からない。掃除をしたくても、掃除機のしまい場所が分からない。中には、自分の下着すらどこにあるかも分からないご主人もいらっしゃるのでは?  それでは、奥さんがそんなご主人に愛想をつかすかというと、不思議なもので案外そうはなりません。逆に、「この人って、私がいないとダメなのね。」と、これも母性本能というのでしょうか、面倒をしっかりみてあげたりします。そんな奥さんの姿に、ご主人が感謝の気持ちを示していれば、それはそれで夫婦関係が成り立っているのかもしれません。他人には、けっして分からない関係ですが。  一見、ご主人のわがままに振り回されているようで、実は、奥さんがそのわがままを黙って聞いてあげている。一見、ご主人の方が強く見えますが、本当に強いのは、奥さんの方です。だって、そのわがままを聞いてあげる余裕があるのですから。ただし、いつもいつも、余裕があるわけではありません。奥さんだって、他にもいろいろあってきっと忙しいはず。いくらわがままを言える間柄であっても、時と場合を考えなければいけない時もあります。  『外で働いて稼いで来る』事は、家で何もしないための『免罪符』ではありません。奥さんもパートなど、仕事を持っていたらなおさらです。もちろん、今日一日の疲れを家庭で癒し、明日またしっかり仕事をするための活力を蓄える事も大事ですが、それは、奥さんだって同じ事。ちょっとした気遣いや声かけで、お互いの疲れが和らぎます。  『家庭あっての自分』 だという事を忘れないでください。 ~〈整体師を目指す方へ今日の一言〉~  不定休や、平日を休みにして、土日も開院している整体院も多いと思いますが、そういった場合、子供の事は、ついつい奥さんまかせになりがちです。仕事に打ち込むあまり、周りが見えなくならないよう、お気をつけください。←自戒の意味を込めて
2024年4月
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