慈愛の精神は尊ぶべきですが・・・

野良猫餌やり、加藤・元将棋名人に慰謝料204万円命令(2010年5月14日asahi.comより抜粋)  将棋の元名人、加藤一二三・九段=東京都三鷹市=が、自宅の集合住宅で野良猫に餌をやり続けたため悪臭などの苦痛を受けたとして、近隣住民らが、加藤さんに住宅敷地内での餌やりの中止や慰謝料など約640万円の支払いを求めた訴訟の判決が13日、東京地裁立川支部であった。市川正巳裁判長は、原告住民側の訴えを認め、加藤さんに集合住宅敷地内での餌やりの中止と慰謝料204万円の支払いを命じた。  加藤さんは「猫に長く生きてもらいたいと思ってした行動なのに、理解できない」として控訴する方針。  原告住民と加藤さんは、三鷹市内の同じ庭付き高級テラスハウスに居住。裁判では、「動物愛護」の精神による餌やり行為が、集合住宅における他の居住者の「人格権」を侵害するかどうかが焦点となっていた。  判決によると、加藤さんは1993年ごろから野良猫に餌をやり始め、周辺に現れる猫が18匹になった。2002年には庭で生まれた子猫6匹について、餌をやったり、猫が凍死しないように玄関前などに段ボールやバスタオルを置いたりした。不妊去勢手術をしたため、現在は4匹にまで減ったが、原告住民らは、猫のフンの始末を余儀なくされたほか、洗濯物ににおいがついたり、車に傷をつけられたりした。・・・
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 まさか将棋の元名人の加藤氏が、野良猫へのえさやりで、訴訟問題になっているなんて今まで知りませんでした。東京地裁は、迷惑行為として認定し、地域住民への慰謝料の支払いを命じましたが、ニュースを読む限りでは、やむなしと思います。加藤氏は控訴するとは思いますが、高裁へ行っても負けるか、控訴棄却の判断が下るでしょう。  人間には誰にも慈愛の心があります。冷たい雨の中捨てられている子猫を見れば、誰だって助けてあげたい、なんとかしてやりたい、そう思うでしょう。その点では、加藤氏の動物への慈愛の精神は理解できますし、尊ぶべきだと思います。しかし、その一方、社会に生きるには、その行動に責任を持たなければなりません。もう少し、地域の人間の方にも慈愛の心を持って接してほしかったです。加藤氏にはそこが欠けていたのでしょう。  猫はかわいい、野良猫に罪はない、放って置くのはかわいそうだ、と中途半端に世話をして、結局、野良状態のかわいそうな猫が増え、地域住民にも迷惑がかかってくるのでは、何も良いことありません。将棋の名人だったなら、きっと頭の回転もものすごく早く、このような事態になることは考えるまでもなく、気づいていたと思うのですが、この点は理解に苦しみます。  本当に猫のことを思うなら、こういった野良状態の猫を少しでも減らすように努力すべきだったのではないでしょうか。自然界では自然淘汰が当たり前です。増えすぎた動物は、1匹あたりのえさが減り、結果的に個体調整されるのです。しかし、人間社会では必ずしもそうではありません。誰かがえさをやり続けてしまえば、どんどん増えていってしまいます。このいびつな状態は、動物にとって幸せとは思えません。   ここ越谷では、野良犬はまず見かけませんし、おそらく付近で見かける猫もきっと誰かの飼い猫でしょう。しかし、こういった問題は全国で見ればまだまだあると思います。ややもすると感情的になりがちな問題ですが、冷静になって、野良猫にとって何が一番幸せか、地域環境を悪化させずにするにはどうすべきか、ちゃんと話し合いをすればかならず解決策は出ると思います。  せっかくの慈愛の精神が、みんなの迷惑となってしまっては、もったいないです。
〈整体師の味方コメント〉
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