活かされない教訓

 『北海道の観光土産で知られる菓子「白い恋人」の賞味期限改ざん問題をめぐり、製造元の石屋製菓(札幌市)の石水勲社長(63)は17日夜、記者会見を開き、来週にも引責辞任することを正式に表明した。後任には主力行・北洋銀行(札幌市)から島田俊平常務(59)を迎える。企業倫理が問われた問題は、発覚から3日後にトップ辞任という事態に発展した。  同社をめぐっては、16日に、石水社長了承のもと、約10年前から賞味期限を社内規定より延長していたことが明らかになった。この日午後8時に開いた会見で、石水社長は「昨日から今日にかけて、社長という立場でやっていけるのかという気持ちになった」と述べた。  さらに「あまりにも多くの問題が出てきた。これからも私の知らないものが出てくるのではないか。もう私1人の力では処理できず、新しい力が必要だと思った。会社に残らない。再び戻ることも無いと思う」と述べた。』(8月18日:朝日新聞)  ちょうど7年前の6月、大阪を中心に発生した雪印乳業製品による集団食中毒事件をみなさんは覚えていますか?雪印乳業(株)の大阪工場に納入された原料を追跡調査した結果、大樹工場が生産した脱脂粉乳から、黄色ブドウ球菌の毒素が検出されて大問題となりました。 7年前、雪印が、消費者の信頼を裏切るとどうなるかを身を持って他の食品メーカーに教えてくれたはずです。石屋製菓は、その教訓をまったく活かさず、その3年も前から始めた不正行為をそのまま継続しました。   食の安全をおびやかし、信頼を損なう事件と言えば、つい最近では、ミートホープ社の牛ミンチ偽装事件がありますね。ミートホープも、石屋製菓も、7年前に同じ北海道でこんな大きな問題が起こっているのに、なぜ自社で起こっている不正行為を改めようをしてこなかったのでしょう。内部告発でしか自分達の過ちに気づかない経営者の辞任は、当然のこととを思います。  たしかに、人は多くの過ちをおかします。失敗もたくさんするでしょう。その中から教訓を得て、成功につなげていきます。しかし、今回の過ちは質が違います。「賞味期限くらい1ヵ月延ばしてもかまわない」という、消費者への食品メーカーとしての責任がみじんも感じられない行為です。過ちをとおり越して、詐欺にもあたる悪行です。このような消費者不在の経営感覚で商品を作っているから、バームクーヘンなどからも大腸菌が検出される事態になるのです。健康被害が発生する前に発覚したのがせめてもの救いです。    「他山の石」、「人の振り見て我が振り直せ」などよく耳にする言葉ですが、「自分は大丈夫。」「これくらいは平気。」と済ましがちで、自分から直すということも案外難しいことなのかもしれません。施術中、患者さんから、整体・カイロ・マッサージなどで、いやな思いをした時のことなどを聞かされることがあります。その際、「よそはよそ。ウチは大丈夫。」などと高を括らずに、「自分も知らず知らずに、患者さんに不快な思いをさせていないか?」「患者さんとの間に誤解やズレが生じていないか?」など振り返ってみることが大事です。自分もするかもしれなかった過ちを、他がすでに示してくれているのですから、教訓として活かすべきです。 ↓励みになります。1日1回のクリックおねがいしま~す[emoji:e-365] blogRanking にほんブログ村 健康ブログへ
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