簡単に、『死ね』とか『死ぬ』とか言わないで。○

「死ねと書かれて逆上」広島遺棄の無職少女供述(2013年7月18日 読売新聞)

 広島県呉市の山中で女性の遺体が見つかった事件で、最初に死体遺棄容疑で逮捕された無職少女(16)(広島市東区)が、被害者とみられる専修学校の元同級生(16)(同市安佐北区)にスマートフォン向け無料通話アプリのLINE(ライン)で「死ね」などと書かれて逆上したと供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。

 一方、17日夜に逮捕された男女6人のうち少女2人は事件まで無職少女とほとんど面識がなく、県警は、交友関係がない2人まで加勢した経緯を調べる。

 捜査関係者によると、無職少女は当初、県警の調べに「一人でやった」と説明したが、17日に6人との共謀を認めた。LINEでグループ登録者が短い会話を交わす「グループチャット」で元同級生と口論になり、「死ね」「人間じゃない」などと書かれたことから逆上したとし、元同級生を呼び出して6人と一緒に暴行したなどと供述しているという。

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101人が「いじめ」見聞き 名古屋市の中2男子転落死(2013年7月16日 朝日新聞)

 名古屋市の市立中学2年の男子生徒が転落死した問題で、市教育委員会は16日、全校生徒へのアンケート結果を公表した。男子生徒へのいじめと受け取れる言葉や行為を「自分で見聞きした」と101人が答え、このうち「死ね」という言葉を挙げた生徒が最も多く、21人いた。

 男子生徒は「いろんな人から死ねと言われた」とノートに書き残し、自殺をほのめかしていた。市教委は「いじめがあった可能性が極めて高い」として、近く設ける第三者委員会で解明を進める。

 アンケートは、10日に男子生徒が死亡後、12日に無記名で実施。551人のうち519人が回答した。自分で見聞きしたという生徒の回答のうち、具体的な言葉や行為を挙げたのは50件。「死ね」に続き、「自殺してみろ」(5件)が多かった。「胸ぐらをつかまれる」「たたかれる」などの暴力も計4件あった。 

 会見に同席した校長は、男子生徒が「死ね」という言葉を受けて自殺した可能性について「(男子生徒に)いろんな変化をもたらしたと思っている。可能性は高いと思う」と答えた。

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 自分がちょうど歳頃の子を持つ身なのでそう感じるのかもしれませんが、最近、子供が犠牲になる事件がとても多いように感じます。その中でも、16歳の少女が同い年の少女を殺害して、山中に捨ててきた事件や、中2の男の子が飛び降り自殺をした事件は、たいへんショックを受けました。夜のニュースで連日取り上げられるなかで、少しずつ事件の経緯が伝えられてきて、どうしてその手前で止めることができなかったんだろうと、とても悲しく、悔しくなりました。

 この2つの事件、まったくの別物ですが、キーワードは両方とも『死ね』です。とても強い言葉で、冗談でも、言われると「ドキッ」として、その分少し寿命が縮んだ気になる、聞きたくない言葉ですが、少年少女の間では、聞かない日はないくらい、「死ね」・「死ぬ」という言葉はあふれています。中1の娘も、学校で言われたことはあるらしく、「言ったことはあるのか?」の問いには、はっきりとは答えなかったので、言っているかもしれません。

 もちろん、例えばTVゲームやDSなどのアクションゲームで、自分が操作するキャラクターが、倒されてしまった時に「うわぁ、死んだ~」とか言ってしまうのはよくあります。また、今年のような連日の猛暑で、暑さのあまり「死ぬ~」とか独り言を言ってしまうのも理解できます。しかし、冗談でも人に面と向かって「死ね」と言うのは別です。自分で「オレ、そこまで言われたら、もう死ぬわ~」というのもダメだと思います。少なくとも私は、絶対に耳にしたくはありません。

 このように軽いタッチで、日常的に「死ね」という言葉が使われているなら、言われてもまったく抵抗がないのかというとそうでもないようですね。やはり言われると傷つくし、嫌な気持ちは、心の底に溜まっていくのだと思います。よく『言霊』と言いますが、本当に相手の寿命を奪っているのかもしれません。だからもう、簡単に「死ね」だの「死ぬ」だのという言葉を使わないようにしませんか?

 私の好きな漫画家の1人に、荒川弘さんがいます。この方は、作中で、主人公だろうが、悪役・敵役だろうが、登場人物には絶対に「死ね」とは言わせないそうです。派手なアクションシーンも多く、実際に戦って死ぬ場面もあるのですが、それは「子供達が観る物だから」と、アニメ化になる時も徹底したそうです。

   言葉の力は意外に大きく、ちょっとした物の言い方で、無理なお願いも聞いてもらえたり、逆になんでもないことのはずなのに、相手を怒らせてしまったり、悲しい時に和ませてもらったり、いい気分だったのに、一気に崖から突き落とされた気分になったり、それなのに、私達は普段から言葉をぞんざいに扱い過ぎですね。

 まずはネガティブワードを別の言い方に置き換えたりするところから始めてはいかがでしょうか。気をつけていれば、間違ってもネガティブワードの最たるものである「死ね」という言葉は出てこないと思います。

 

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