イメージと身体能力のギャップ

 『ゲーム機メーカーのアトラス(東京都新宿区)は21日、7月下旬から販売している腕相撲ゲーム機「腕魂(うでだましい)」で利用者が骨折したとして、販売済みの全155台を自主回収すると発表した。  同社によると、このゲーム機はすべて右腕での対戦用で、全国のゲームセンター向けに販売。力のレベルが10段階あり、勝ち続ければ1回で最大3段階までゲームができる。同社では、21日夕までに京都、大阪、福岡で計3件の男性利用者の骨折事故を確認。3人とも右上腕部の骨を折ったという。同社は同日、全国の設置店に使用中止を要請。回収して原因を調べる。』(8月21日:読売新聞)  「3人とも右上腕部の骨を折った」ということは、上腕骨骨幹部いわゆる二の腕を骨折したのでしょう。これは腕相撲ゲーム機に腕をへし折られたかのように見えますが、冷たい言い方ですが、私にはこのゲームをした方の自爆に思えてなりません。ゲーム機相手でなくても腕相撲の時、上腕骨には、肘側には相手から受ける力、そして肩側には自分が出す力の双方が同時にかかります。この力に耐えかねた時に骨折に至ります。つまり、かなわないと思ったら素直に負けてしまえば骨折は起こらなかったというわけです(まあ、当たり前な話しですが)。  腕相撲好きで、友人たちとよくやっているという方や、普段からトレーニングを積んでいる方、スポーツ(特に腕をよく使うもの)を続けている方はこのような骨折にいたるケースはほとんどないでしょう。また、逆に今まで運動嫌いでスポーツ経験などほとんどない方も骨折しないと思います。理由を簡単に言うと、前者は「上腕部に力がかかる際、骨へのダメージを周囲の筋肉がカバーしてくれているから」で、後者は「自分が力の出し方が分からないので、上腕部に過度な力がかかる前に負けてしまうから」です。  一番骨折しやすいケースは、若い頃によく腕を使うスポーツをやっていて、ここ数年以上まったく運動らしい運動をしていない人がいきなり全力を出してしまうケースです。こういう方は、今は筋肉が衰えて、運動していない方と同じ筋力しかないのに、頭と身体は力の出し方をある程度は憶えているので、その部位に向かって過去の自分と同様の力を出すよう命令します。しかし、実際には筋肉が足りないので骨へのダメージをカバーできず、骨折に至るまでゲーム機の力を受け止めてしまうのです。また、お酒を飲んだりして自分の力のコントロールができにくい状況下でこの種のゲーム機に挑むのも、けがの原因になります。  つまり、腕相撲に限らず、頭の中でイメージしている自分の体力・筋力と実際の身体能力との間に大きなギャップがある方ほど、けがをしやすいというわけです。何年か振りにジョギングを始めて、はりきり過ぎて初日で足を痛めてしまったり、まったく練習しないまま当日、野球の試合で腰を痛めてしまったりと、まあ「こんなはずじゃなかった…」というヤツですね。  身体は使わないと、自分のイメージ以上に筋肉は衰えていきます。普段からの小さい刺激でも筋肉は維持しようとしますので、ストレッチや軽い運動でもいいので毎日続けることが大事です。言葉どおり「継続は力なり」なのです。  ↓励みになります。1日1回のクリックおねがいしま~す[emoji:e-365] blogRanking にほんブログ村 健康ブログへ
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