誤審をなくす仕組み作りを

 今年の夏の甲子園は、公立校である佐賀北高校がまるでドラマのような逆転満塁ホームランで広陵高校に競り勝ち、初優勝を飾りました。しかし、この試合には一つだけ、素直に佐賀北の優勝を喜べないシーンがありました。  あの満塁ホームランを打たれる前の、フォアボールの押し出しで1点を与えた場面です。スポーツニュースをTVで観ていて、ホームランのシーンより前に、まず「あれは、ストライクだな。あの判定ではバッテリーがかわいそうだ。」と気になりました。その後、別のニュースで広陵の監督がボールの判定に不満を漏らしていたことを聞き、当然だろうと思いました。あれで、バッテリーは低めでストライクを取る選択肢を奪われ、それでもなお連続の押し出しは絶対避けなければいけません。その状況下で投げたボールが甘く入り、ホームランを打たれてしまったわけですから。  甲子園の決勝という高校野球最高の舞台です。高野連でも最高の審判団をそろえて試合に臨んでいることでしょう。しかし、そうは言っても審判も人間です。誤審がいつもまったく無いとは限りません。現に日本のプロ野球でも、アメリカのメジャーリーグでさえ、毎シーズンのように、誤審が問題として取り上げられています。それを、高校野球だけはまったく誤審がありませんいうのは無理があります。  この主審の選球眼にまったく問題がないとしても、もし、可能性として、特待生問題などが影響して公立校への判官びいきがわずかにでもあったとしたら、主審も気づかぬうちに低めぎりぎりのストライクがボールに見えてしまうかもしれません。「審判がストライクって言ったらストライク!」という仕組みは、判定が公正であるという責務を100%果たしているのでしょうか?  ジャンルはまったく違いますが、空手道(全空連ルール)では、組手試合の時、主審のほかに3名の副審、そして判定には直接加わりませんが監査がいて、合わせて5名の審判団で一つの試合を見ています。ジャッジは主審主導で行われますが、主審が誤審をした場合は3名の副審でそれをくつがえすことができます。もし、ルールから外れてそのまま主審が自分の判定を押し通そうとすれば、それを監査が止めることができます。これは、主審が適当な審判をしてもいいというものではなく、より正確なジャッジを求める為の仕組みなのです。審判をする方々は、毎年各県主催の審判講習会を受講し、地区審判員や全国審判員の資格の維持には、更新時にも別途講習会の受講が義務付けられています。  テニスでも前回のウィンブルドンで「チャレンジシステム」が導入されましたね。これは審判の判定に疑問がある場合、選手の申し出により、ビデオ再生して再ジャッジしてもらえるというものです。異論はありますが、より公正なジャッジを追求し続ける姿勢には賛成です。   判定を一人の人間の眼だけにまかせるには、限界があります。高野連も、審判員の質の高めることはもちろんのこと、誤審を防ぐ仕組み作りを考える必要があるのではないでしょうか。それこそが、審判の威厳を保つ道なのではと考えます。このままでは、高校球児たちに愛想つかされてしまいますよ。 ↓励みになります。1日1回のクリックおねがいしま~す blogRanking にほんブログ村 健康ブログへ
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