我が子を大切に思う気持ちがあるからこそ

担任、息子の入学式へ…高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意 (2014年4月12日(土)埼玉新聞より)

 県西部の県立高校で50代の女性教諭が長男が通う別の高校の入学式に出席するため、担任を務める1年生の入学式(8日)を欠席していたことが分かった。新入生の保護者らは「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なのか」と困惑している。

 県教育局によると、県内の県立高校では、ほかに男女3人の担任教諭が子息の入学式出席を理由に休暇届を提出し、勤務先の入学式を欠席した。

 関根郁夫県教育長は11日に開いた県立高校の校長会で「担任がいないことに気付いた新入生や保護者から心配、不安の声が上がった」と、この事実を報告した上で「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくりと心配りに努めてほしい」と異例の“注意”を促した。

 関係者によると、入学式の担任紹介の中で校長が女性教諭の欠席理由を説明。女性教諭は「入学式という大切な日に担任として皆さんに会うことができないことをおわびします」という文章を事前に作成し、当日、別の教諭が生徒らに配ったという。

 来賓として入学式に出席した江野幸一県議(刷新の会)は「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか。校長の管理責任も問われる」と憤慨。

 県教育局は「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」としている。
 

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 ここ数日、webのニュースで話題になっている記事があります。いろいろ意見が分かれるところであり、私にも持論があるため、ブログに書くことにしました。

 それは、埼玉県立高校の教諭が、別の高校に通う高校1年生の長男の入学式に出席するため、有給休暇を取ったというもので、それを県の教育長が注意をし、また入学式に来賓として出席した県議も、批判をしているというものでした。

 みなさんは直感的にどう思われたでしょうか?「教育者が入学式を欠席するなど、けしからん。」と思うでしょうか。「生徒よりも、我が子の入学式がそんなに大事か?」と思うでしょうか。「そもそも高校生なんだから、親が入学式に行かなくてもいいんじゃないのか。」と思うでしょうか。私は、少なくともこの教諭は非難されるにはまったく当たらないと思います。

 まず第一に、入学式や卒業式など、節目節目の大事な行事に、親が出席を許されないという考えがおかしいと思います。その家庭家庭で、親が出る出ないというのはあると思いますが、「子供の入学式に出ないで、仕事しろ!」という職務ってなんでしょうか?もしあるとしても、本当にごくごく限られた場合だと思います。

 そしまた、百歩譲って、自分の勤める高校の入学式の方に出るべきだったとしても、この教諭は無断欠勤したわけではなく、正当な手続きで、校長から有給休暇の許可をもらっています。また、この教諭は、新入生向けに入学式に出席できないことをわびるメッセージを作成し、当日は副担任から事情を説明しています。きちんとフォローもなされていますね。それに、校長先生が許可をした時点で、この教諭の責任はなくなります。しかしながら、私は、この校長は、たいへんいい判断をしたと思っています。

 また、「生徒よりも、我が子の入学式がそんなに大事か?」という意見にも、私は異を唱えたいと思います。『どんな親でも、自分の子は、かけがえのない大事な存在』というメッセージを発信することによって、生徒はより安心すると思います。我が子を大切に思う気持ちがあるからこそ、担任を受け持つ生徒たちを大切に思う気持ちも、十分ある人だと言えるのではないでしょうか。

 『子供の気持ちよりも仕事優先』だったら、『生徒の気持ちよりも事務作業優先』にならないでしょうか。そっちのほうが私は心配です。注意をした県の教育長は、自身が教諭だった頃、自分の子供の入学式には出席しなかったそうです。私はそれを立派な行為だとは思えません。お子さんは、自分の親が来ていない入学式の風景をどんな気持ちで眺めていたのでしょうか。
 
 日本人は、滅私や我慢をとにかく美徳にとらえる傾向にあります。もちろんその精神は、今後も日本人の根幹をなす大事な考え方ですが、行き過ぎや強要はけっして、良い結果に結びつかないと思います。教諭でも、警察官でも、お医者さんでも、我が子の晴れ舞台には堂々と仕事を休める環境を作っていくべきだと私は思います。

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