知らなかったではすまされない。

無免許はり治療、患者死なせた疑いで院長ら逮捕 大阪(2010年2月23日asahi.comより)  大阪府池田市の「メイプル鍼灸整骨院」で昨年12月、はり治療を受けた女性(当時54)が死亡した事件で、大阪府警は23日、元副院長の岡村祐樹容疑者(26)を業務上過失致死とあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律違反の疑いで15日に、院長の吉田起祥容疑者(37)を同法違反の疑いで23日にそれぞれ逮捕したと発表した。  捜査1課によると、岡村容疑者は2008年4月から無免許ではり治療をし、昨年12月15日、女性の背中に針をうつ際に過って肺を傷つけ、低酸素脳症で死亡させた疑いが持たれている。吉田容疑者は、無免許の岡村容疑者にはり治療をさせた疑いがある。岡村容疑者は柔道整復師の免許を持つ一方、はり治療の専門学校に通学中だったという。  同課によると、岡村容疑者は「患者さんに頼まれてはりをうった。他に数人にはり治療をしたことがある」と容疑を認めつつ、「独断だった」と吉田容疑者の関与を否定。吉田容疑者は「知らなかった」と否認している。  同課は、吉田容疑者が女性の死亡直後に患者の診療受付記録を破棄していた、と説明。複数の患者や従業員から「岡村容疑者のはり治療は院長も知っている」という証言も得られたとしている。
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 先月、この事故(事件と言ってもいいかと思いますが)のニュースを聞いた時はたいへん驚きました。身体を良くするために通って、命を失ってしまうなんて、誰しもが考えもしません。亡くなられた方には本当にお気の毒だと思います。再発防止もためにもきちんと原因が究明されるべきと思ってました。  鍼の深刺しで、肺周辺が傷付けられ、呼吸不全につながった結果、死亡した可能性が高いとの報道もありましたが、まさかその施術者が無資格者とは。これでは、いつ事故が起きても不思議ではありません。院長はこれを「知らなかった。」で済ますことなど到底できません。  あとで明らかになると思いますが、院長が知らないわけはなく、無資格者が鍼を使うことを黙認していたのではないでしょうか。この院長は、鍼灸の学校で鍼の有効性・危険性とも十分学んだはずですが、その危機意識があまりにも希薄で、施術者・管理者として失格です。危険性を十分認識していない無資格の施術者ひとりに責任を負わせるのでなく、院長は管理責任を厳しく問われなければならないでしょう。  整体の分野は、法整備が遅れ、未だに国家資格としての認定がありません。民間の整体師養成校が独自の基準で、修了証や認定証を発行しています。また、整体師養成校ではたいてい整体院が付属していますが、そこでまだ技術認定されていない者が、施術にあたるなど考えられません。  それは未熟者が施術をすると、効果が出にくいばかりでなく、力任せに矯正をおこなって、スジなどを傷める可能性があるからです。また、ほぐしも重いだけできつかったり、揉み返しが出たりします。そんな整体を受けたら、二度と来たくはないでしょう。だから、まともな整体院ではしっかりと技術を身につけた者しか、施術を担当させないのです。     民間療法には、様々な療法があり、各々独自の方法で効果を出しています。しかし、まずはしっかりと患者さんの安全が保証されなければなりません。何度もくり返し言っていますが、「安全はすべてに優先する」のです。  
~〈整体師の味方コメント〉~
 鍼灸の話しだと、対岸の火事と思わず、もう一度身の周りを振り返ってみましょう。 ========================= 《メルマガ『まぐまぐ』発行しています》 『整体師のミカタ』 に関してご意見やご要望などが ございましたら、お気軽にお知らせください。 http://www.mag2.com/m/0001002720.html   これからもどうぞよろしくお願いいたします。   =========================
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