褒めて育てる○

「褒められると伸びる」は本当 生理学研、実験で証明 (平成24年11月9日日本経済新聞より)

教育・リハビリ現場に応用も  「褒められると伸びる」は本当――。

 運動トレーニングをした際に他人から褒められると、上手に運動技能を取得できることを、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の定藤規弘教授(神経科学)らの研究グループが実験で明らかにし、米オンライン科学誌プロスワン11月7日号に発表した。

 グループの田中悟志名古屋工業大准教授(神経工学)は「褒めて伸ばすという言葉が科学的に証明された。教育やリハビリテーションの現場で応用できる」としている。

 研究グループは右利きの成人男女48人に、キーボードの1から4のキーを使った5桁の数字を、左手で決められた順番でできるだけ速くたたく運動を覚えてもらい、運動直後に(1)自分が褒められる(2)他人が褒められるのを見る(3)自分の成績をグラフだけで見る――の3グループに分けた。

 翌日、覚えた順番通りにキーボードを何回たたけるかを実験すると、運動直後に自分が褒められたグループは前日の練習から成績が20%伸びた一方、ほかの2グループは13~14%の伸びにとどまった。

 これまでの研究で、うれしいことがあると、脳内で記憶の定着に重要な役割を果たすドーパミンが分泌されると判明しており、田中准教授は「褒められた分、記憶が残って動きが良くなったのではないか」と話している。

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 「人は褒められて伸びる」よく言われることですが、本当にそうなのか研究していた方がいたんですね。しかもそれを科学的に証明してみせたなんて、この方たちがまず褒められるべきですよね。

 私自身は今まで、人にあまり褒められた記憶はありません。そこまでのことをして来なかったと言えばそれまでですが、親にも、基本しかられて育ちました。おそらく私達の親の世代は、「自分の子をほめるなんてそんな、こっ恥ずかしいマネ出来るかい!」っていう感覚だったと思うので、余程の快挙でもない限り、そんなに褒めてなかったように思います。

 褒め方って、案外難しいですよね。なんでもかんでも褒めれば、「バカにしてんの?」ってことになるし、何気ない動作やひと言を「それ、いいね。」とか「センスあるね。」と褒めるだけで、場が和んだり、その後の仕事がスムーズに運んだりもします。それに自分ががんばった時に、誰も褒めてくれないのは、さみしいですよね。

 褒めるのにも、褒めないのにも、相手が納得する理由があればいいんだと思います。褒める時は、「相手が褒めてほしいことを褒める」、「褒めてほしいとまで思っていなくても、がんばりや評価が見えそうな時に褒める」などがありますね。褒めない時は、「あなたの能力なら、十分出来ると思ってた」、「今ここで、満足してもらいたくないと思ってた」などがありますね。それがきちんと相手に伝わっていることが重要なのです。

 普段から、ささいなことでも褒めてもらって、どんどん自信をつけて、成功していくタイプ。褒めてもらえないことを見返すバネにして、努力して成功を収めるタイプ。どちらもあると思います。どちらかと言えば、私は後者になり、ヘタに褒められると慢心してしまうので、あまり褒められずによかったと思っています。

 物事には必ず二つの見方があります。例えば、100点満点で80点を取った時、80点取ったことを褒めてやるのか、20点ミスしたことを責めるのか。またオリンピックでは、柔道で銀メダルを獲得して、周りは銀メダル獲得を褒めますが、選手自身は金メダルを逃したことを責めたりします。もちろんどちらか一方的な見方でなく、その割合もさまざまでしょう。

 昔、高校の英語の授業で、ベストを尽くすは、“do my best”ではないと教わりました。それだと、「自分はせいぜいここまで」みたいな感じで、たしか“do the best”が正解だったと思います。もっとやれた、もう少しやれたと自分で思っていた時に、「ここまでよくやったね。」と周りから褒められるのは正直、悔しいです。まだ褒めないでよ!って思ってしまいます。『私のベスト』でなく、『誰が見てもベスト』って時に、思いっきり褒めてほしい。私はそう思います。

 こんな考えだから、あまり娘たちを褒めないんですね。しかし、このニュースを見て、もう少し褒めていこうかなとも考えました。『不怒』+『褒め』出来たら最高ですよね。 

 

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