教員駆け込み退職希望、30人は学級担任…埼玉(2013年1月23日 読売新聞)
今年度で定年退職する埼玉県の公立学校教員110人が、退職手当削減が始まる2月より前の退職を希望している問題で、希望者のうち学級担任は30人いることが22日、県教委などへの取材で分かった。
上田清司知事は、県費削減効果と周知期間を勘案して2月1日施行にしたと説明、「2か月も残して辞めるのは無責任のそしりを受けてもやむを得ない」と批判した。
110人のうち県採用教員は89人。教頭4人と教諭85人で、教諭の中には担任27人が含まれている。教頭の欠員は、他の学校や教育委員会から補充する方針。担任は、教頭や学年主任、副担任らが務めるよう各学校が調整中だ。早期退職を希望するさいたま市採用21人のうち、担任は3人。教頭はいない。県、同市とも校長は含まれていない。
駆け込み退職:佐賀、徳島43人 教頭、担任も 本紙調査(2013年01月23日 毎日新聞)
埼玉県内で100人超の教員が退職手当引き下げ前に「駆け込み退職」を希望している問題で、佐賀県と徳島県では教頭や学級担任を含む教員43人が既に駆け込み退職していたことが22日、毎日新聞の全国調査で分かった。学校事務職員や一般行政職員を加えると70人超が退職。高知県など4自治体でも退職希望者がおり教育委員会が対応に追われている。
埼玉県とさいたま市を除く46都道府県と19政令市の教委に聞き取りをした。佐賀県は退職手当を引き下げる改正条例を1月1日に施行したが、昨年12月末で教員36人(小学校8人、中学校5人、高校16人、特別支援学校7人)と一般職員16人が退職。同県教委は「子供の教育に支障がないよう臨時的任用で年度末まで継続するようお願いし、一部はまだ働いている」と話す。
徳島県も1月1日付で条例改正。昨年12月末に教員7人(小学校2人、中学校3人、高校1人、特別支援学校1人)と学校事務職員5人、一般職員7人が退職した。徳島市では中学教頭が辞め、現在も空席という。同県教委は「教員4人を臨時採用し、支障は出ていない」としている。 また、高知県は3月に改正条例を施行する予定で、教員2人が2月末の退職を希望。愛知県と兵庫県、京都市でも3月改正で、退職希望者がいるとみられるが「未集計」などとして詳細を明らかにしていない。
ほとんどの自治体は、まだ条例の改正を議会に提案していない。10自治体は既に議会で可決されているが、問題は出ていないという。
年度末を迎える前の教職員の早期退職が、にわかに問題になっていますね。埼玉県の例では、3月まで勤めてから退職すると、退職金が150万円ほど減額されてしまうそうです。2月と3月働いてもさすがに、150万円にはならないでしょうから、働き損ということになります。年度末まで勤め上げないことを上田知事は「無責任」と批判しましたが、上田知事は、“責任”という意味を取り違えていないでしょうか?
県の財政が厳しいから、公務員にかかる人件費を削減する。これには退職金も含める。これは一定の理解はできます。しかし、4月から施行では人件費がかかるので2月からというのは、問題が起きることは目に見えています。これを強行した埼玉県政のほうが無責任ではないでしょうか?
これには、埼玉県政の“甘え”が見て取れます。「先生達は、退職金を減らされても、生徒を途中で放り出すことは出来ないから、きっと3月まで働くだろう。」と高を括っていたのだと思います。たしかに教職は聖職です。他の仕事とは一線を画すものです。しかし、責任を持って職務を遂行してもらいたいなら、その対価を支払うべきです。そこを曖昧にして、聖職なんだから、ボランティア以下の減収覚悟で職務に当たれというのは、教職をバカにしているのかと疑ってしまいます。
それに、県の財政が厳しいなら、県会議員の歳費の見直しはしないんでしょうか?県会議員の定数は削減しないんでしょうか?上田知事は、退職する時、果たして退職金をどのくらいもらうのでしょうか?教職員に減収覚悟で最後まで勤め上げろ、それが責任だと言うのは、自分達の襟をきちんと正してからにしてもらいたいです。
教職員達がこのような選択を取らざるを得ないようにしたのは、紛れもなく行政の責任です。その責任を転嫁して、批判して済ますようなことは、私はあってはならないと思います。実際に、私の娘達が通う学校では、今このような問題は起きていないと思いますが、こういった大人の事情で、子供達が振り回されることのないよう、県・市町村・学校と緊密に連携して、対応してもらいたいと思います。
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