誰にでもできることだけど、誰もができるわけじゃない

 整体師になるには、今や整体師養成校で技術を習得するのが一般的ですが、一口にに整体と言っても、カイロプラクティック重視のところや気功を用いるところなど幅広く、教えてくれる技術のレベルも千差万別です。ただ、共通して言えることは、入校するのにとくに資格が要らない(あっても高卒程度)ということでしょうか。老若男女誰でも可、学歴・職歴・体格・筋力などもまったく関係ありません。  ということは、整体の技術を習得するのには、何も特別な能力は必要ないということです。体操選手のようなバック転ができないとダメとか、100mを11秒切って走れないとダメとか、英語でTOEIC700点取らないとダメとか一切ありません。つまり、整体の技術の習得なんて、本来、誰にでもできることなのです。この点において、よくあるうたい文句、「年齢や性別に関係なく、やる気のある人なら誰でも就職・開業できます」は、正しいと言えます。  しかし、現実はどうでしょう?健康や癒しブームからか、整体師養成校の数は年々増加傾向にあり、現在、整体を習っている方はかなりの数になると思います。(総数のデータを知っている方がいたら教えてください!) それにともない、整体やカイロ、リラクゼーションの店舗は増えている印象はありますが、かと言って、ものすごい勢いで開店ラッシュしているようにも見えませんし、最近新しい店舗できたと思ったら、もうなくなっていた・違う業態に変わっていたなんて話しもまれではありません。つまり、インプットとアウトプットがイコールではない、入校者数=就職・開業者数ではないということです。なかには、「純粋に整体に興味があっただけ」、「家族やご近所にボランティアでやってあげるため」と職業として元から考えていないケースもあると思いますが、これは少数派だと私は考えています。  そうすると、「年齢や性別に関係なく、やる気のある人なら誰でも就職・開業できます」は、実情に合っていないということになりますね。誰も彼もが整体師になれるわけではないということになり、先程の説明と矛盾が生じます。この矛盾はどこから来ているのでしょうか。  ひとつは、たしかに誰にでも“できる”はずなのですが、もともと、できるようになるためには、ある程度の練習が必要であり(練習量や期間は人によって違いますが)、ふつうは簡単には身につかないものが多いということです。  もうひとつは、正しいやり方のみを身につけることが、習得の最短距離であるにもかかわらず、自分の心や身体のクセが本来身につけるべきやり方をねじ曲げやすく、どうしても自分のやりやすいようにしてしまうということがあります。これに陥ると、いつまでたっても正しいやり方が身につかず、最短距離どころか、寄り道ばかりとなり、技術が習得を大幅に遅らせてしまいます。  そうして、技術試験があるところでは、「整体は自分には無理。難しい。」と途中であきらめてしまったり、試験がなかったり、甘甘なところでは、なんとか修了証を手にし、どこかに就職したのはいいが、結局、技術が使えず、違う業種に転職するはめになるのです。  整体の技術は、骨格の調整の一例を挙げれば、正しい位置からズレて不安定な椎骨を、元に戻すだけのことですから、やり方はいたって単純なものです。「余計なことはせず、単純にやる。」、これが理屈で分かって、自分の身体がその動きを分かるようになるのは、簡単でないかもしれません。しかし、先人達はそれを身につけ、現場で実践し、多くの患者さんの役に立ってきました。私もけっして器用な方ではありませんでしたが、開業して3年目、今は何とか、諸先輩の仲間入りをしつつあります。  整体業は、誰でも目指すことができる、老若男女問わず人気のある職業です。また、人には簡単にまねのできない技術を駆使して、患者さんのつらい症状を改善するというとてもやりがいのある職業です。だからこそ「なってみたい!」と思うとても魅力的な仕事なのかもしれませんね。 ~:~:~:~:~:~:~   (春日部本校の火曜日の生徒さんへ) 先日、整体教室で話したかったことはこういうことです。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆  ↓励みになります。1日1回のクリックおねがいしま~す blogRanking にほんブログ村 健康ブログへ
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