危機の意識○

 まぐろ漁船が大型フェリーに衝突され、漁船に乗っていた3人が、行方不明になったものの、発見され救助された事故で、このフェリーを使用していた会社の社長のコメントを聞いておそろしくなりました。主旨としては、「当て逃げは心外。気づかなかっただけ。」というものでした。気づかなかったのだからしょうがないという感覚です。しかも、事故は今回が初めてではなく、過去にも漁船との衝突事故を起こしています。なぜ、事故は繰り返されたのでしょう?

 それは、フェリー側の危機の意識が、自分側が危険かどうかにのみ向いているからだと思います。たとえ漁船と衝突しても自分の船に傷はつくが運航に影響は出ない、気をつけるのは自分に危険が及ぶかもしれない時だけでいいとう意識で運航しているからです。

 だから、小さな漁船でも気づくよう配慮した運航をしないのです。見張りは2人と定められているにもかからわず、1人で済ませてしまうのです。本来なら、過去に事故を起こしているなら見張りを3人に増やす配慮をしてもいいと考えますがまったく逆です。

 これは、一部の大型トラックの運転手が、自分は他車より運転席が高い位置にあり、車両も頑丈で、少々他の車にぶつかっても自分は助かるという間違った安心感から、速度超過、前方不注意、飲酒運転など事故を起こしてもおかしくない交通違反を平気で繰り返すのに似ています。

 このフェリーの使用会社の危機管理のままでは、また事故は起きるでしょう。危機の意識は、相手側・自分の外側が、自分の行動で危険にさらされるかどうかにしっかりと向いていなくてはいけません。

 整体師は、患者さんがいつでも、安全に安心して施術を受けることができるよう心してつとめなければなりません。その為には、しっかりとした技術、そしてそれを使える心配りを身につけることが必要です。

2024年4月
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