被害者には救済を

三笠フーズ取引先の社長が自殺/奈良 (2008年9月17日asahi.comより)  16日午後11時50分ごろ、奈良県広陵町の米穀販売会社「ナカガワ」の社長の男性(54)が自宅寝室で掃除機の電気コードで首をつっているのを長男(28)が見つけ、119番通報した。社長は病院に運ばれたが、17日未明に死亡が確認された。県警によると、遺書はなかったが、自殺とみて詳しい動機を調べている。  同社は三笠フーズの事故米を扱っていた仲介業者の一つで、農林水産省が16日に社名を公表した。県によると、同社は今年1~8月、佐賀県の業者を介してメタミドホスが残留している可能性がある53トンのもち米を仕入れ、奈良県内の複数の業者に納入していた。  県警によると、三笠フーズの事故米の出荷が発覚して以降、納入した業者などから問い合わせが殺到し、対応に追われていた。社長は家族に「死にたい」「病院に行きたい」などと漏らし、16日昼に農薬を飲んで自殺を図ろうとしたが、家族が発見して止めた。いったん病院に行ったが落ち着いたため、自宅に戻っていた。  同社の従業員は16日、朝日新聞の取材に「我々は国産米と信じており、まさか事故米が混ざっているとは思ってもみなかった」と話していた。 ~:~:~  とてもやるせない事件です。食の安心・安全をおびやかす事に重大さも気にも止めず、目先に利益に走った人のために、まじめに一所懸命に仕事に取り組んでいた人が、自殺に追い込まれる。こんなことが許されていいのでしょうか?三笠フーズの社長や社長に食用への転売を指南したとされる者、実際に転売に携わった人達はどう責任を取るつもりでしょうか。さらには、農林水産省大阪農政事務所の元消費流通課長(すでに定年退職)が在職中に三笠フーズから接待を受けていた事実も発覚し、汚職事件の様相も呈して来ました。厳密な実態調査をし、全容を解明し、二度とこのような悲劇が起こらないよう対策の上、首謀者には厳罰を科してほしいと思います。  たしかに、食の安心・安全の配慮からすれば、三笠フーズの事故米の流通経路が判った時点で、早急に情報を開示すべきでしょう。しかし、その一方で知らぬ間に、事故米をつかまされ(売りつけられ)た卸業者や製造業者は、何の落ち度もない被害者です。その点にも、とてもデリケートな配慮が必要でしょう。 おそらく、自分に落ち度はなくとも、事故米を卸してしまったり、商品に使用して流通させてしまったことに対する心痛は、かなりのものがあったでしょう。それに、商品の回収や取引先への対応、恐れていた風評被害など、実害も出ていることと思います。政府は大至急、この詐欺とも言える被害に遭われた流通業者への支援策を実施してほしいと思います。  今回のケースは、『自分が知らない内に不正に巻き込まれていた』という点では、大分の教員不正採用問題に似ています。大分のケースも、当の本人は何も知らず、 ただ試験を受けて合格通知をもらい、採用されただけなのに、後から、「点数が足りないのに、不正に合格させてから採用を取り消します。」 と言われ、不正を働いて私腹を肥やそうとした者どもに、人生を振り回されてしまいました。この人達もまた、被害者と言えます。しかし、ここで意地を見せて、また教員採用試験を受けて、正々堂々合格してまた教壇に戻ってほしいと思います。  何か、諸悪の根源にはなかなかメスが入らず、表面的に取り上げやすいところから、問題にしているような気がします。『流通業者は被害者。被害者は救済せねばならない。』ここを履き違えず、この問題を取り扱っていかないと、一番悪い人達はうまく責任を逃れて、とばっちりを受けた人達がさらに苦しむ破目になりかねません。  ~〈整体師を目指す方へ今日の一言〉~  何かの問題を自分なりに考えようとした時、別の何かと関連付けて考えるくせをつけてください。整体で、患者さんを診る時にもきっと役に立つはずです。
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