大勝軒の閉店に想う○

 つけ麺発祥の店として知られる東京・東池袋の「大勝軒(たいしょうけん)」が20日の今日、のれんを下ろします。再開発による立ち退きによるものですが、今朝のラジオのインタビューで店主の山岸さんは「これも時代の流れ」と納得の様子でした。のれん分けした店は北海道から沖縄まで全国に100店にものぼるそうで、これからは、のれん分けした店をゆっくり見て周るのが楽しみなのだそうです。

 ラーメン屋さんに限らず飲食店では、その店に入って何年も修行して、だんだんと仕事を任されるようになり、その店の味だ出せるようになって、ますます腕を磨いて、独立したい人は、自分でお店を始めるようになります。同じ店内で同じ器具を使い、同じ店主から同じレシピを教わって(教えてくれない場合の方が多いかな?)料理を作っても、同じ味にはけっしてなりません。独立して、のれん分けした店ならなおさらその店の店主が作る味になっているでしょう。でも、そこの根底に息づいている大勝軒の味を自分の舌で確認したとき、きっと「大勝軒の味は弟子のみんなが守ってくれている」と感じるのでしょう。

 整体に限らず治療系の業界では、整体院や治療院に弟子入りして学ぶというより専門校で一度にたくさんの人が学ぶというスタイルの方が一般的になってきました。しかし、同じ先生から身体のほぐし方や骨格の矯正など同じテクニックを学んでも、身につき方は生徒によって随分違います。器用な人、不器用な人、身体へのタッチが初めからソフトにできる人、気をつければできる人、ついハードになってしまう人、患者さん(役)への気遣いが自然にできている人、気を遣おうと気をつける人、気遣いまで気が回らない人、いろいろな方がいます。その人なりに学びながら整体のテクニックを身につけていきます。

 整体のテクニックには、特別な身体能力を必要とするものはなく、それ自体は練習すれば誰にでも身につけられるものです。ですが、それは料理で例えるならレシピみたいなもので、施術を行う人の心によって左右されます。施術には、施術者の技術力だけでなく、性格や今まで培ってきたもの全てが出ます。ハードな心ならハードに、いい加減な心ならいい加減さが、患者さんに伝わります。

 「料理は心」と言いますが、たしかに料理を食べるときにちょっとして気遣いで、作ったひとの気持ちが伝わります。あたたかい料理がよりあたたかく感じます。整体も、そのテクニックを使っているのは、自分の心だということを忘れないでください。

 

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