妊娠中の方(妊婦さん)への整体

 先日、ご近所さんで妊婦さんが、お母さんに付き添われて、クルマで来院されました。なんでも、来院の前日の朝からだんだん、左の脚の付け根・股関節あたりが痛み出して、その晩には立っても座っても痛くて、夜も寝ててもずっと痛かったとのことです。  妊娠中ということもあるので、まず始めに私の方から、「病院へは行ったんですか?」 と聞いたところ、整形外科には、「妊婦はレントゲン写真が撮れないから診れません。」 と断られたとのこと。また、通院している産婦人科では、「整形外科は専門外だからよく診れない。整体とか行ってみたら?」 と言われたとのことでした。その整体でも、実は、私の整体院に来る前に1軒電話して、「妊婦さんはお断りしています。」 と言われてしまったらしいです。  今回のそれぞれの対応は、ある意味仕方ないのかなと思います。自分のできる範囲のことを決めておき、できない場合はその旨を、はっきりと相手に伝える、これも責任ある正しい行動だと思います。しかし、それではこの妊婦さんは、いつまで続くか分からないこの痛みが勝手に自然にひくまで、ずっとガマンするしかないということになってしまいます。それはあまりにもかわいそうですよね。  私としてもできる限りの対応をしようと心掛けました。仰向けで寝てもらうと骨盤の高さが左右で違っていました。そして本人が痛みを最も感じていたのはソケイ部ですが、それよりも大腰筋の張りがとても強く出ていました。それに伴い、骨盤とつながってる恥骨筋や長内転筋も張っていたようです。  施術としては、とにかく無理のないように、患者さんの負担にならないように心掛けました。痛みの元となっている筋肉群の緊張を取り除き、骨盤の高さを調整し、バランスを取り戻す。そして可動範囲を今より少しでも広くする。ここに注力しました。姿勢としては、仰向けと、左を上にしての横向き、そして座った状態でも少し施術をしました。  施術がひととおり終わって、まず仰向け時に、左脚がまっすぐに伸ばせる、伸ばしてもほとんど痛みを感じないことを確認してもらってから、ベッドに座ってもらい、ここでも普通に座っていられることを確認してもらってから、立ち上がってもらいました。すると、患者さんから、「あぁっ、まっすぐ立てる!」と喜びの声が上がりました。ずっといっしょに待っていたお母さんもほっとした様子でした。立ちやすさ、動きやすさも全然違いますし、痛みもずいぶん軽減したと言ってくださったのですが、まだ脚を内側に倒すと若干痛みが残るのと、先程まであれほど痛がっていたことを考慮して、その晩と、できれば翌日の安静を促しました。    妊婦の方に多いのは腰痛・肩こり・むくみなどですが、腰痛だからといって必ずしもうつ伏せになる施術が必要とは限りません。安定期なら、ご家庭でさする・なでるくらいのごく軽いマッサージをお身内の方にしてもらうのもかまわないと思います。それでも、なかなか不快な症状が取れずつらい方は、あさひ整体センターまで、ご相談ください。  ~〈整体師を目指す方へ今日の一言〉~  妊婦さんへの対応は、その整体院でまちまちです。自分のおこなっている整体が妊娠中の方に施していいものかどうか、見極めたうえで、責任あるしっかりとした対応をお願いいたします。(受け入れる・断るを含めて)
2024年4月
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