これは叱咤でなく、体罰だ

少年野球監督、バットで男児殴り右腕骨折 滋賀 (2009年5月30日 asahi.comより)  滋賀県近江八幡市のスポーツ少年団野球部の40代の男性監督が、練習中の小学5年生の男子をバットで殴り、右腕骨折の6週間の大けがを負わせていたことがわかった。  市スポーツ少年団事務局によると、5月3日午後、市内の小学校のグラウンドで、監督が午前中の試合の成績がよくなかった男児を叱咤(しった)しようとバットで尻をたたこうとした際、よけようとした男児の右腕に当たったという。監督は07年度から、このスポ少野球部を指導していた。  同事務局は26日、監督に対し、指導者証を返還させ、2年間の活動停止処分にした。 ~:~:~  いまだに、このような体罰がスポーツ指導の名の元に行われているのかと思うと、同じスポーツ指導者として、とても恥ずかしく思い、同時にこの男児に後遺症など残らないかと心配になりました。『成績がよくなかった』からと言って、バットで叩く、これは叱咤でもなんでもなく、ただの指導者のエゴ、体罰以外の何物でもありません。そこに教育的配慮を見出すことは私にはできません。  試合で勝てないことがそんなにも悪いことでしょうか?バットで叩かれなければならないほどのことなのですか?こんなことをされて、はたして少年達は野球を好きでいられますか?この監督は、小学生の野球部に何を求めているのでしょう。たくさん勝って名監督とでも呼ばれたかったのでしょうか?野球部も試合も、監督の為にあるのではありません。純粋に野球を楽しむ少年達の為にあるのです。  もちろん、試合ですから負けるより勝った方がいいに越したことはありません。しかし負けた試合の中にも次につながるいいプレーもあったはずです。それにあまり勝ち負けにこだわりすぎても、スポーツ本来の楽しみを失ってしまいます。この監督の仕事は、『いかに勝たせるか』より、『いかに野球の楽しさを教えるか』だったのではないでしょうか。そこを履き違えた結果がこの体罰だったと思います。  私も、幼稚園の空手教室を指導したり、空手道場の少年部で小学生達を指導したりしています。まじめにやるべきところを、ふざけてなかなかやらない時は、時には大きな声で、“ピシッ”と場の空気を締めることはあります。ふざけて稽古をしているとそれがケガにつながることがあるからです。しかし、叩いたりすることはありません。それに、指導者と生徒と間に信頼関係、いい意味での上下関係がしっかりできていれば、手を挙げなくとも生徒はちゃんと指導者のいうことを聞いてくれます。  生徒に、こちら側の真剣な気持ちを分かってもらいたい一心から、時に手を挙げることもあると思います。しかし、それは指導者の感情やエゴからでは、けっしていけないと思います。言葉だけでは伝えられないと冷静に判断した時の最後の最後の手段です。そしてそこには『愛』がなければなりません。   ~〈整体師を目指す方へ今日の一言〉~  今日は、空手道指導者としてのコメントです。
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