妊娠中の整体○

 先日、ご近所さんで妊婦さんから整体を受けたいとの電話があり、来院されました。整体師の中には、「妊婦さんへの整体お断り」としているところもありますが、私は、安定期に入っていれば整体を受けることは心配ないと考えます。むしろつらいのをひたすらガマンしてストレスを溜める方がよほど身体に悪いのでは?とも思うくらいです。

 事実、昔、自分の妻が妊娠中、身体のつらさを訴えて来たので、整体を施してあげた結果、とくに脚のむくみが改善され、腰の痛みがずいぶん軽くなったと言ってくれました。その時の経験を活かし、私のところでは、妊婦さんへの整体は断らず、多少出来ることは制限されますが、出来る限り主訴の症状が、緩和されるように整体を施しています。

 その方は、もともと不定期に、辛くなるとお見えになる患者さんで、軽いギックリ腰だったり、肩こりがひどくて偏頭痛になったりすると電話がかかってきていました。それで、今回の主訴は腰痛だったのですが、とにかく身体のあちこちが痛いということも訴えていました。

 ここで、どういう手順で妊婦さんに整体を施すか、流れを簡単に説明していきましょう。姿勢を確認した後、施術ベッドに仰向けに寝てもらいます。ここで脚をまっすぐ伸ばすのに抵抗があれば、膝の後ろにクッションなどをはさみます。まずは、足部から脚部にかけてのほぐしです。股関節もだいぶ硬くなっているケースが多いので、丁寧に施術していきます。

 それから今度は首を診ます。首周辺の筋肉をほぐして、頚椎にズレが生じていたら、カイロプラクティックで調整していきます。そして、次に横向きになってもらいます。腰から臀部、大腿部外側をよくほぐします。骨盤の軽い歪みならこれでもずいぶん整います。妊婦さんは当然、お腹の中に赤ちゃんがいて大きくなっていくので、骨盤もだんだん開いてきますが、その過程で左右のバランスがズレたりするとよけいにつらくなるようですね。

 また、横向きの状態では、肩甲骨内側から脊柱のきわの辺りもよくほぐします。こうすることで、歪んできた骨盤で何とかバランスを取ろうとがんばっていた起立筋群、広背筋など背中の筋肉が和らぎ、背中全体が楽になります。結果的に、頚椎もズレにくくなるんですね。

 あと時間があれば、座った状態で、肩をほぐしたり、肩甲骨の稼動域を広げたり。また小胸筋もほぐすとだいぶ肩が楽になりますね。

 内臓のほぐしや、うつ伏せでの肩や背中のほぐしができなくても、1時間はあっという間に過ぎてしまいます。途中、患者さんに、「ここ痛くないですか?」と声を掛けると寝息がスースー。これなら、夜は熟睡できそうですね。夜しっかり睡眠が取れる身体になってもらうのも、整体の重要な役割です。  

 妊娠中は、やらなくてはいけないこと、やってはいけないこと、生活の中でいろいろ制限がかかってきます。体形の変化だけが腰痛・肩こりの原因ではありません。無理してガマンしてストレスを溜め込んでいるなら、一度整体を受けることをおすすめします。

 

〈整体師の味方コメント〉

 妊婦さんからの依頼を受ける・受けないは、双方に正しい理由があると思います。どちらが良い悪いはありません。しかし、妊婦さんへの整体はいつも以上に神経を使う必要はあると思います。

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