整形の仕事って、それで十分なの?○

 私は、(整形外科の管轄と思われる内容の)電話相談を受けると、ケガをしたなら、まず病院(医院)に行きなさい。その後の治療は、先生と相談の上、そのまま通院を続けるか、接骨院や整骨院での治療に切り替えるかしてください。と言っています。その上で、効果が見られなかったり、慢性痛の状態が続くようでしたら、整体院のご利用を考えてみては?としています。

 しかし、先日のケース、ある総合病院の整形外科の対応は、患者さんサイドからは、あまり誠実なものには見えなかったようでした。その方は、腰椎の4番が前方にズレている、いわゆる腰椎分離すべり症という症状で、左側、臀部から大腿部に坐骨神経痛を伴っていました。MRIの検査結果を見て言われているので、間違いはないと思います。私の検査結果とも一致しています。

 検査結果が出て、患者さんはどういう治療をして治してくれるのだろうと期待していたのですが、整形外科医から出た言葉は、「ここではもうすることないから、麻酔科に行って。」というものでした。つまり、ブロック注射をして、痛みを緩和して様子を見ようということらしいのです。

 整形外科で何もしてくれないのなら、と私の整体院に来たのですが、たしかに、検査だけやって、後は麻酔科って、それで整形の仕事は十分なのか?と私も思います。

 この患者さんは、年配の女性で、ホームセンターで働いているのですが、それに対する注意点や、日常生活で、気をつけるべき習慣や姿勢などへのアドバイスもまったくありませんでした。すべり症の方は、重い荷物などをお腹の上に乗せて抱え上げ、背を反らすポーズなどは、一番やってはいけません。症状が悪化してしまいます。ホームセンターでの勤務では、こういう動作は日常茶飯事でしょう。また、家事でも、布団干し・布団の上げ下ろしの動作もかなり注意が必要です。患者さんは病院では、こういうアドバイスをまったく聞かされていませんでした。

 言われたのは、「加齢でなるものだからしようがない。」「痛かったらコルセット巻いて。」ぐらいでした。この整形外科医からは、患者さんを治そうという気が感じられません。加齢は直接の原因ではないし、コルセットもどういう使い方が望ましいかきちんと説明すべきです。いくら忙しいからと言っても、ひとりひとりの患者さんを大事にしないのなら本末転倒でしょう。

 さいわい、患者さんのすべり症は、それほどまだ重症化しておらず、骨盤の歪み(左脚がかなり短い)を正し、腰椎の3~5番の筋肉のこわばりを改善すると、坐骨神経痛はほぼ取れました。そして、生活習慣のアドバイス、やった方がいいストレッチ、やってはいけないストレッチ・姿勢など指導して施術を終えました。

 ただ、すべった状態の4番自体は、1回の整体では完治するわけではなく、今後ともケアは必要です。麻酔科に行って、ブロック注射を打って、その場、楽になったとしてもそこでムリをしたら、よけいひどくなるので、その点のアドバイスもさせていただきました。  せっかく、頼って来てくださっているのですから、「もうやることない。」なんて帰さずに、私は自分のできるだけのことをしようと考えています。

 

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