教わること。学ぶこと。○

小中高の暴力行為、過去最悪の6万1千件 文科省調査(2010年9月14日asahi.comより)

 文部科学省は14日、全国の小中学校、高校、特別支援学校を対象とする「2009年度問題行動調査」の結果を公表した。

 小中高の暴力行為は約6万1千件(前年度比約1千件増)で過去最高を更新した。

 一方、小中高と特別支援学校でのいじめの把握件数は約7万3千件(同約1万2千件減)、高校の不登校の生徒数は約5万2千人(同約1千人減)。自殺した児童生徒は、中学生44人、高校生121人の計165人(同29人増)だった。

 高校中退者は前年度比14%減の5万6948人。中退率は0.3ポイント減の1.7%。人数、中退率とも過去最低だった。

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 小中高での暴力行為件数が過去最高と報じられることに違和感を感じます。昭和40年代の私らが子供のころの数は、今の子供の数と比べてかなり多かったですし、またその頃は、家庭内暴力、校内暴力が社会問題となり、不良や、暴走族などもかなり派手に目立ってた記憶があります。そう考えると、昔の方が暴力行為自体は多かった印象があるのですが、なぜ今が過去最高(←こういう場合は“最悪”という表現を使うべきなのか)なのでしょうか?  

くわしいデータは、文部科学省のホームページでご覧になれます↓ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/09/1297352.htm

 調査対象や調査方法が変更になったため、対象件数が大幅に増えたこともあるのですが、調査条件が同じ近年と比べても増加傾向にあり、たしかに暴力行為の件数は増えているようです。暴力行為に至った経緯はそれぞれで、個々に事情があると思いますが、「自分が暴力を振るったらどうなるか」「暴力を振るわせるまで、相手を追い込んだらどうなるか」を今まで学んで来なかったからなのでは?と思います。

 「暴力はよくない」「いじめはダメ」「人にはやさしく」「生きものは大切に」これらのことは、おそらく自分らが子供の頃より学校で、またはそれより前の保育園・幼稚園で教えられているはずです。それでも問題を起こしてしまうのは、結局教えられてはいるが、学んではいないということなのでしょう。

 人は教えることはできても、学ばせることはできません。馬を水飲み場に連れて行くことはできても、飲ませることはできないのです。水を体内に摂り入れるのは馬自身なのです。昔はいちいち教わらなくても、こういうことは友達とのつき合いの中から、また近所のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちから自然に学んでいきました。どうして、叩いちゃいけないのか、いじめたらいけないのかは頭でなくて、身体から心に入っていったものでした。

 一緒に遊ぶ小さい子に目を掛けたり、不自由さ・不便さをみんなで分け合って、やさしさがどういうものか体感しました。今、そういう機会が減っているのはとても残念なことです。また、うまく説明できないのですが、小さい頃にさんざん、虫やカエル、トカゲやザリガニなどを玩んだおかげで生きものがどういうものか、どう大切にすればいいのか知った気がします。ですから、ムシにたくさんひどいことをして殺しても、その行為が哺乳類や、ましてや友達などへエスカレートするなんてことはけっしてありませんでした。

 そうかと言って、今の私に妙案があるわけでもありません。ただ、口でいくら教えても限界はあると思います。疑似体験でもいいので、頭ではなく、何かで体感させられないのかなと思うのですが。教育を生業にされている方には、この辺について、知恵を出してもらいたいと思います。家庭を含めた、今までの教育のあり方、子供の育て方の結果がこうなのですから、このままなら、きっとこの残念な『過去最高』の数字は更新されていってしまうでしょう。

 

〈整体師の味方コメント〉

 整体のテクニックも、教えることはできても、学ばせることはできません。学ぶのは本人です。「教え方がマズイ。」なんて不平をもらす人は、しょせん良い整体師にはなれないでしょう。

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