武道必修化に向けて思うこと○

講習2日で柔道黒帯、20年以上続く「特例」

 大分県教育委員会が中学、高校の体育教員を対象に開いている柔道指導者講習で、2日間受講した教員が段位(黒帯)認定を申請した場合、県柔道連盟が特例措置として、段位を与えていることがわかった。

 県教委によると、講習は毎年、2日間の日程で実施。柔道指導の豊富な講師を外部から招き、受け身や技の掛け方、安全管理などを学ぶ。2011年度は受講者48人のうち14人が認定を申請し、全員が初段に認定された。特例措置は、少なくとも20年以上前から続けられている。初段の認定試験は通常、14歳以上で1年~1年半の経験者が受験できる。

 県教委は「段位を与えるかは連盟の判断」とし、連盟は「受講者は柔道経験がある人ばかり。体育教員としての運動能力も考慮すれば、初段のレベルに十分達している」と説明、見直しの予定はないという。

 体育教員への柔道の指導者講習を巡っては、愛知県内でも、30年近く受講者全員に段位が授与されていることが判明している。2012年1月17日18時55分 読売新聞)

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 武道必修化の考えは素晴らしいと思うし、私もそうあるべきだと思っています。私は中学では、体育の授業で柔 道を、高校では剣道を学びました。両方ともちょっと怖いなと思いましたが、最後の方では楽しくできました。柔道では、『体落とし』と『けさ固め』を習った憶えがあります。もちろん受身もやりました。高校では、剣道部の部員に思いっきり、面や小手を叩かれて、ものすごく痛かった記憶があります。悔しかったけどまったく歯が立ちませんでした。

 部活にでも入らない限り、なかなかそういう体験はできませんので、体育でやるのは大いに賛成なのですが、一方で怖いのは事故です。安全は何よりもまして優先されなければなりません。安全を確保するには、それなりの技能・知識を持った指導者が監督する必要がありますが、実際に体育教師がすべての競技に精通するのは不可能です。そこで、体育の先生に講習で、基本的な技能・知識を学んでもらい、授業に役立ててもらうということなのでしょう。これは現実的な対応だと思うのです。

 わずか数日の講習会でいわゆる『黒帯』を与えてしまうことに、違和感を覚える方もいると思います。実際に組手をやれば、あっけなく負けてしまうことは容易に想像できます。しかし、これはあくまで指導のための『黒帯』なのであって、そこは分けて考える必要があると思います。もちろん、人材が確保できるのなら、地元の柔道場の師範にでもお出でくださって、体育の先生のサポートをしていただければいいのですが、現実的ではないでしょう。かといって、危険だから無くしてしまおうかというのは極論過ぎます。

 安全に武道を中高生たちに学んでもらうべく、今後講習の日程や内容の見直しは、必須でしょう。他の記事では実際に、1983~2010年度の28年間に、全国で114人(中学39人、高校75人)が部活動や授業中に死亡しているとあります。ヘッドガードを着けたりとか、畳の上にさらにマットを敷くとか、いろいろ安全対策を考えるべき時期に来ていると思います。

 空手道の方はどうかというと、組手に関しては、全空連・高空連では、基本寸止めでかつ、安全具として拳サポ(拳)・メンホー(頭部)・ボディプロテクター(胴)・ファールカップ(急所)・シンガード(脛)・インステップガード(甲)とかなり安全面に配慮しています。これだけ書くと「寸止めルールなのにおおげさな」と言うかもしれませんが、『もしも』への対策を常に意識しているのです。

 空手道も実は、武道必修化に向けて、2月に学校空手道実技指導者講習会というものが行われます。基本的には、その講習会修了には全空連公認の初段が与えられるとのことです。今後空手道もそうやって、学校教育に組み込んでもらうべく、指導者を増やしていかなくてはならないでしょう。個人的には、空手道も今後、体育の授業に取り上げられていくのを期待したいと思います。

 

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