『先生病』に気をつけよう○

 『先生』と言えば、やはり夏目漱石の名作「こころ」ですね。高校の国語の授業でやりました。

 それはさておき、これは自分自身への戒めでもあるのですが、どうやらこの世には『先生病』なるものがあって、それは知らず知らず心の内に忍びよってくるらしい。特効薬などは、もちろんありません。というより、本人にまず自覚がないので、そもそも治そうという気も起きないのです。これはちょっとやっかいです。では、ここで私の言う『先生病』とはなんなのか、持論を述べたいと思います。

 「環境が人を作る」と言いますが、医者や教師など、人から「先生」と呼ばれる職業に就くと、学生だった人もだんだんいわゆる『先生』になっていきます。これは本人の努力が姿かたちとなって顕れた結果ですから、これ自体はたいへん良いわけです。しかしその反面、仕事柄、少しのミスや間違いも許されにくい職業ゆえ、そのうち「自分は間違えてはいけない」⇒「間違えた対応は取らないよう気をつけている」⇒「自分は間違えない」・「いつも正しい」に変わってきてしまいやすいのです。

 この「自分は『先生』であるがゆえに、人からの指摘は受けない」という思考回路に陥った状態を、私は『先生病』と呼ぶことにします。そうなると、もしミスや間違いを人から指摘されても、もうそれを素直には聞けなくなってしまうのです。相手の忠告に反論し、自分の正当性を主張します。たしかに物事には、常に二面性があります。忠告のすべてが正しいとも言えないでしょう。反論にも一定の理がきっとあるでしょう。だからと言って、相手の理に耳を傾けないというのでは、結果的に自分が損をしてしまいます。

 また、私はこの世で、原則、先生と呼ぶべき存在は、1.『医師』、2.『教師』、3.『自分が師を仰ぐ人』、の3つだと思っています。しかしこの世には先生が多すぎる気がします。議員然り、評論家然り、はたまた占いや、芸術家まで、とにかく「先生、先生」と言い過ぎです。先生は、せめて人に、なにか物を教えている人でしょう?そういう意味では、整体師は、患者さんにアドバイスはしますが、教えているわけではないので、先生ではないですね。このブログを読んでくださった方、今度から「坂谷さん」とか、もっとくだけて「坂ちゃん」とか呼んでくださいねっ!

 整体の仕事でも、空手関係でも、私はよく、「坂谷先生っ」と呼ばれます。ですから、この『先生病』に自分が陥らないか正直不安なのです。「初心に帰れ」「日々勉強」とは言いますが、分かっていてもすぐに慢心してしまいます。その慢心が態度に出て、親身な忠告が耳に入らず、知らない内に相手を不機嫌にさせてしまうこともあります。

 「先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし」 

 いつも驕らず、謙虚な気持ちで生きたいと思います。・・・そう言えば、私の名前『謙』一ですね。

 

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