このオオカミ少年の言うことは、ホントかウソか○

関電管内15%節電目標…政府案、融通前提に(2012年5月15日 読売新聞

 深刻な供給不足が見込まれる関西電力には、北陸、中部、中国の3電力会社が5%ずつ、四国電力は5%超を、それぞれ節電して関電に融通し、2010年比の節電目標を15%にする。昨年夏の東京電力の節電目標と同じ厳しい水準だ。エネルギー・環境会議(議長=古川国家戦略相)と電力需給に関する検討会合の合同会議で示された。政府はこの融通策を軸に今週中にも対策を最終決定する。

 融通が得られない場合の節電幅は20%に跳ね上がる。政府は、自主的な節電が進まなかった場合に備え、関西、九州、北海道、四国の4電力に計画停電の準備を求める。

 関電管内では、地元の意向も踏まえた上で、大口需要家に強制的に節電を求める電力使用制限令も検討する。九州電力は12%、北海道電力は7%、それぞれの管内に節電を求める。余力のある東京電力と東北電力には数値目標は示さない自主的な節電要請にとどめる。九州電力は西日本からの融通増が見込める場合、節電幅は10%に引き下げる。

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 政府の答弁、各電力会社の需給試算、それに対する国民の反応、原発再稼動の是非を含めた今年の電力に関するニュースを見ているとイソップ童話の『オオカミと少年』を思い出します。政府や電力会社が、「電力足らないんだよ~」「このままだと計画停電だよ~」と言っても、国民は「そんなウソにだまされるもんか。原発を再稼動させるためのおどし文句に決まってる。」と取り合いません。でも、『オオカミと少年』のラストは、本当にオオカミが来て、少年の羊たちはみんな(お話しによっては、少年や村の人たちまで)、食べられてしまいます。この夏のラストもこんなことにならないと言い切れるのでしょうか。

 昨年は皆知恵を絞って、節電に心がけました。今年はさらにそれ以上のものが求められているのです。大企業の会社や工場など、大口需要家に対する電力使用制限令もおそらく実施されるでしょう。これも、生産に支障をきたし、景気にも悪影響がありますから、自分らに関係ないとは言えません。一部商品が買いにくくなったり、実際仕事に影響が出る人も身近に出るでしょう。それでも、これで踏みとどまれればまだいいです。けっしてやってはいけないのは、計画停電です。

 去年の3月にいきなり計画停電を実施されて、本当につらい目に遭いました。1日のうちに2時間~3時間の停電とは言え、あそこまで不便になるのかと、電気が気兼ねなく使える幸せを痛感しました。一番つらいのは、生活のリズムが狂ってしまうことです。1日が自分のペースで動けないのです。人や物が、自由に動けない・流れないという事態は、予想以上に不安や停滞感を与えます。そこに今回は夏場という最悪の季節が重なるのです。

 自分たちが経験した時期は、寒いと言っても底冷えするような寒さでもなく、昼間も冷蔵庫の扉を開けずにいれば、氷の溶ける心配のない時期でした。スーパーの冷凍食品やアイスも溶けることなく、そのまま販売できました。しかし、今回は違います。自家発電ができないなら、そのスーパーは、アイスや冷凍食品を計画停電期間中は売ることはできません。もちろん、私たちも家の冷蔵庫にストックすることはできません。

 この恐れのあるなか、いくら政府や電力会社に不信を抱いていても、「どうせ大丈夫なんだろ?計画停電やれるものならやってみろよ!」と言っていいのでしょうか?もし、本当に計画停電を実施して、国中がパニックになったら、政府の責任や電力会社役員らの責任は、当然ながら追求されるでしょう。しかし、その前に電気を止められて損害を被るのは私たちなのです。

 もちろん、オオカミ少年(政府・電力会社)の言うことはウソで、原発を全停止したままでも、日本の電力供給はまかなえるというのが理想です。でももし、ホントで、電力がまったく足りなくて、電気を止められてしまう事態になったらどうなるか、やはりそこまで考えておくべきだと思うのです。 

 

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