一昨日、ある市の空手道大会の審判に行ってきました。幼年から、私と同世代であろう一般男女の選手たちが、形や組手の試合に、真剣に挑んでいました。親御さん方もお子さんの応援でかなり盛り上がっていました。私も他の審判員の足を引っ張らないよう、何より選手が実力をしっかりと発揮できるよう、こちらも真剣に臨んでいました。帰ってきてからは、午後7時から予約の患者さん2人に整体をしたので、その日の夜はさすがに、『電池切れ』でした。
そして昨日、今度の日曜日はいよいよ越香会の大会なので、道場で、形試合の入場のところから、練習をさせていたのですが、見ると、ある小学生の子が、方向転換がおぼつかないのです。たしかに前日の大会でもそういう子はいたのですが、どうせなら、右(左)を向いたり、回れ右をするのは、きちっと極めてくれたほうが見ていて気持ちいいので、とりあえず私の知っているやり方で教えました。その子いわく、とくに学校で習った記憶はないそうです。
帰ってきてから、小6と小2の娘に「学校で『回れ右』や『右向け右』って教えないの?」って聞いたところ、小6のほうはだいぶ前に習った記憶はあるが、普段は全然やってない、小2のほうはまだ教えてもらってないそうです。でも、体育の授業や、なにか行事での集合や整列、そこからの移動の際にやったりしないんですかね?それなら、空手の大会で、上手に方向転換できない子がいてもおかしくありませんよね。
回れ右のやり方は、気をつけの姿勢(結び立ち)から、1.半歩右足を引く 2.クルっと右回りで反転し後ろを向く 3.右足を引きかかとを左足かかとに付ける でいいと思うのですが、一応左足を前に出して後ろを向くというやり方でもできますね。まあ、後のほうは一般的ではないでしょうが。
問題は、90°の方向転換です。これは本当にいろいろなやり方があると思いますが、ここでは2つのやり方を右向け右の例で紹介したいと思います。まず1つめ、気をつけの姿勢(結び立ち)から、
1.半歩右足を右側に出す
2.体を右向きに転身する
3.右足を引きかかとを左足かかとに付ける
原則として、「向きたい方向に足を出す」というやり方です。回れ右が後ろを向きたいから右足を後ろに下げるということにも、原則は一致しますし、向いた側の足を最後に引くということも変わらないので、立ち位置が変わってしまうというチョンボも防げます。
次に2つめは、
1.半歩左足を、今自分の向いてる方向に出す
2.体を右向きに転身する
3.左足を引きかかとを右足かかとに付ける
というやり方です。もちろん、右足を後ろに引いてから右を向いてもできますし、左足を前ではなく左側に出してもできます。しかし私は、この2つがやりやすくていいのでは?と思います。
形試合の時、礼のために方向転換をする途中で、コート線内に一旦とは言え、足を踏み入れるのは本当はしてほしくない行為です。しかし、規定にはそこまで書いてはいないので、厳密にするのもどうかと言われればそうですし、1つめの「向きたい方向に足を出すの原則」をしっかり守って方向転換する様は、まったく不快には思いません。
実際多くの大会で、この1つめのやり方で方向転換している選手を見ています。きっと道場でそう教わっているのでしょう。それでも、1つめと2つめをしっかり使い分けで、コート線内に足を踏み入れずに方向転換できるのであれば、それに越したことがありませんが。
向きを変える動作ひとつにしても、そこに注意を払う姿勢が、凛として美しい。空手を通じて学んでほしいのは、本当はそういう所作、そしてその所作ができる『心』なんですよね。学校でも折に触れ、ぜひやっていただきたいものです。
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