拡大解釈と勘違い

  最近のニュースで、兵庫県議の政務活動費の不正使用疑惑が、取り沙汰されていますね。疑惑と言っても、報道を見る限りほぼ100%クロのようですが。しかしなんでこんな事態になってしまったのか、それは、この議員の際限のない拡大解釈が生んだ大きな勘違いが原因だと考えます。

 兵庫県では、県議会議員に月額50万円までの政務活動費が支給されます。これは埼玉県議会でも同じ額です。しかし活動経費として認められる上限というだけで、議員さんに給与とは別に、50万円おこづかいをあげますよという意味ではありません。当然、そんなに使わない月もあるでしょう。しかしせっかく交付されているのだから、使い切らなければ損だと言わんばかりの使い方をされては、県民税を納めている身からするとやり切れないですね。これを埼玉県でやられたら、私も怒ります!

 この、『月に50万使い切らなければ損』という考えで、『本人らが作成した「支払証明書」があれば、領収書なしでも支出OK』という抜け道を利用した結果がこの不始末です。おそらくこの議員は、「支払い証明書」を三つ葉葵の御紋ように、扱いを拡大解釈していき、打ち出の小槌を手に入れたかような勘違いをしてしまったのでしょう。これが一般企業なら、会社のお金を使い込んだ横領事件です。

 拡大解釈というのは、時に恐ろしいものです。本来はこうあるべきなのだが、これくらいは許される余地がある⇒あれが許されるのならこれも許されるだろう⇒あれも許される・・・ となり、際限がありません。当初は許されるはずもないと思っている事が、次第にまったく気にならなくなってしまうのです。似たようなものに、『はげ頭のパラドックス』があります。「髪の毛が一本もない人をはげと呼ぶ」⇒「はげの人に髪の毛を一本足しても、はげと呼べる」⇒「はげの人に髪の毛をもう一本足して、二本にしても、やっぱりはげと呼べる」⇒これを順次繰り返し行くと、あら不思議、「全ての人は、はげと呼べる」ということになるのです。

 この流れで、もう少しお話ししたいと思います。今、集団的自衛権の行使をめぐり、憲法の解釈変更が、話題となっています。私は、現行の解釈のままでは、国の主権と平和を守り、すべての国民の生命と財産を守るのは、難しいのなかと考えています。ですから、今、政府が閣議決定した内容の範囲内での解釈の変更は、認められていいと思います。しかし、もしこれが拡大解釈の第一歩になるのなら、反対です。拡大解釈を繰り返し、ついには他国と戦争をすることが、日本を守ることだという勘違いに帰結してしまうのであれば、たとえ窮屈で、時に日本に不利益が生じる状態であっても、憲法解釈を変更すべきではありません。集団的自衛権という考え方に反対する人達の一番の不安は、ここにあるのではないでしょうか。

 決まりというのは、ガチガチに固めてしまっては、運用時には不便です。時には例外があってもいいでしょう。しかし、その時その時の自分のいいように解釈をし、事を進めてしまっては、すでにそこに法はありません。基本があって、例外がある、その例外の範囲はここまで。と決めておかないと、誰かが邪な考えを起こした時に抑制するすべがありません。今回のニュースは、その教訓となったと思います。

 

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