DNAだけでは決められない

DNA鑑定:父子関係確認訴訟 「DNA鑑定で父子」認めず 血縁より民法優先−−最高裁初判断 (毎日新聞 2014年07月18日 東京朝刊 )

 DNA型鑑定で血縁関係がないと証明されれば法律上の父子関係を取り消せるかが争われた2件の訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は17日、「血縁関係がないことが科学的に明らかで、夫婦が別居し、子供が妻に育てられている事情があっても、法律上の父子関係は取り消せない」との初判断を示した。その上で、いずれも「父子関係は取り消せる」とした2審を破棄し、妻側の訴えを却下する判決を言い渡した。(3面にクローズアップ、「質問なるほドリ」、24面に関連記事)

 夫と子との血縁関係が科学的に否定された場合、「妻が結婚中に妊娠した子は夫の子と推定する」と定めた民法772条の規定(嫡出推定)の例外となるかが争点だった。訴訟の当事者は北海道の元夫婦と近畿地方の別居中の夫婦。鑑定で「父子関係99・99%」とされた血縁上の父と子が、法律上の父と別れた妻と生活していた。小法廷はこういうケースでも「子の身分の法的安定を保つ必要はなくならず、法律上の父の子と推定される」と指摘。「民法は法律上の父子関係が生物学上の関係と一致しないことも容認している」と述べた。

 5人の裁判官のうち3人の多数意見。金築誠志裁判官(裁判官出身)と裁判長を務めた白木裁判官(同)が反対意見を述べた。補足意見を述べた桜井龍子、山浦善樹両裁判官を加えた計4人が立法論議を促した。白木裁判官は「民法制定時、鑑定で血縁関係が誤りなく明らかにできると想定できなかった。立法の手当てが望ましい」と述べた。

 元夫が鑑定を基に、元妻の子との父子関係取り消しを求めた四国の訴訟は提訴期間(出生を知って1年)を過ぎていることもあり、「取り消せない」とした2審判断を維持した。

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 今朝の毎日新聞の朝刊で、DNA鑑定で血縁関係がないことが証明されても、父子関係が取り消されることはないいう、最高裁判決が出たという記事を読みました。率直に言って、私はこの判決を支持します。

 記事によると、夫婦は離婚し、子供は、母親と生物学上の父と暮らしています。親権を争うことになっても、母親が有利で、直ちに法律上の父に引き取られることはないでしょう。しかし、これでこの男性は、「あの子は、私の娘だ」と誰にはばかれることなく言うことができます。面会できる権利も得ます。これが大事だと思います。私は、現民法における『嫡出推定』の原則は尊重されるべきと考えます。

 もしDNA関係の結果を嫡出推定より優先するとなれば、さまざまな不都合を生じます。まず、そうなると、生まれた赤ちゃんはいちいちDNA検査を受けなくてはならなくなります。その結果を待って、法律上の父子関係が成立する運びとなります。ひょっとしたら、そういう未来が訪れるかもしれませんが、それでいいんでしょうか?

 それに検査結果は100%正しいと言い切れるでしょうか。検査の途中にDNAの取り違えなんてことはありえないでしょうか、心配です。もし、万が一本当は生物学上も父のはずが、何らかの間違いでDNA検査結果で否定されたら、幸せな家庭に、暗雲が立ち込めてしまいます。その時は誰が責任を取るのでしょうか。また、その危険性は、ないと言えるのでしょうか。

 また、DNAを最優先にするならば、第三者の精子提供による人工授精では、父子関係は成り立ちません。本当の父は、精子提供者になりますが、それでいいんでしょうか?その話しで進めていくと、今度は卵子提供で人工授精した子供を出産した場合、もし仮に卵子提供者が、「私がDNA検査では母親よ。」と主張したら、引き渡さなくてはならなくなります。

 一見、生物学上の親を親として認めることが正しく見えても、このように、DNAだけで決めてしまうのは、とても危険なことなのです。裁判長の「民法は法律上の父子関係が生物学上の関係と一致しないことも容認している」という立場は、とてもよく理解できます。この問題は、とても複雑で、さまざまな考え方があるでしょう。それにもちろんケースによっては例外も出てくると思います。もし民法を改正するにしても、一例だけを考えて進めるのではなくて、全体に矛盾が生じないよう慎重に進めるべきだと思います。

 

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