強さの意義その2

 先週の日曜日、私が師範代をつとめる日本剛柔流空手道越香会の昇級昇段審査会が、本部道場にてとり行われました。私も午前中、審査員として出席しました。初めて8級(当道場は8級から)を受ける幼稚園・保育園児から、一般部の大人まで、たくさんの道場生が、日頃の稽古の成果を披露し、審査を受けていました。園児や小学低学年の保護者の方も、審査を道場内でご覧いただき、家でくつろぐのとはまた違ったお子さんの真剣な姿を、じっと見つめて応援していらっしゃいました。  ところで、空手道を習いたい、または子供に習わせたい理由は、何でしょう?動機はいろいろあると思いますが、やはり一番先に頭に浮かぶのは、心・技・体それぞれの面で「強くなりたい」、「強くなってほしい」というものではないでしょうか?そして、自分が(お子さんが)どれだけ強くなったか、空手道が上達したかを確認できる場のひとつが昇級・昇段審査会です。  審査会では、受審者は思った以上に緊張します。いつもの稽古ではできていることが、急にできなくなったりします。目をつぶってもできるくらい練習してきたはずなのに、当日、形を間違ってしまうこともあります。審査ではそういうものを乗り越える心の成長も、うかがうことができます。  色帯(級位認定)までは、“級位が上がる=身体的な強さの向上”とほぼ言ってよいと思いますが、黒帯になり、高段位を目指すにつれて、形や技の解釈の正しさ、そしてそれが表現できているか、組手では、勝敗でなく、相手を制する攻防ができているかを問われるようになってきます。形の表現や組手の攻防を通して、心の強さをも、審られているのです。  級位や段位は、強くなったかどうかの目安にはなりますが、試合に強ければ即ち高段位かというとそうではありません。例えば、今週の日曜日、日本武道館にて全日本空手道選手権大会がとり行われますが、トップクラスの選手は、おもに3段位~5段位くらいではないでしょうか(想像です)。単純に、“強さ=段位”なら、全日本で勝つ選手には、7段位や8段位を与えてよいということになってしまいます。しかし、実際はそんなことはありません。  先人のすばらしさは、人を制する武術、格闘技を人格完成・精神修養の武「道」まで昇華したことにあります。単に身体的な強さを求めるのではなく、身体や技術の向上を通して、それを用いる“心”を鍛錬する。空手道というものを理解し、正しく用いることができる“心”の部分、高段位の者にはそれを求められるのだと思います。    強さというのは、「心の強さ」を指すものだと思います。それは何もしないでは手に入らないから、身体的な強さの追求から入るのだと思います。自分も、先日、全空連公認4段位の昇級審査を受けに行ってきました。正式には自分のもとに届いていませんが、今回は残念な結果に終わったようです。また、技とそれを用いる心の部分をしっかり精進していきたいと思います。    ~:~:~:~:~:~:~  整体師養成校では、技術試験を行うところがほとんどだと思いますが、整体院を開業している人間から言わせてもらうと、試験くらいで緊張して実力が発揮できないのでは、とても患者さんを診ることはできません。なぜなら、試験は自分の為、施術は患者さんの為、緊張の度合いが違います。その緊張の中で常に結果が求められるからです。  ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆  ↓励みになります。1日1回のクリックおねがいしま~す[emoji:e-365] blogRanking にほんブログ村 健康ブログへ
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